土の器

宮本牧師のブログ

ほかの計画はない

ヨハネによる福音書17章、大祭司であるイエスの祈り、8節までが、イエス自身のための祈りで、9節から弟子たちのための祈りに移りますが、6節から8節までは、ちょうどつなぎのような部分です。イエスはここで弟子たちとの関係について語りながら、御自分がなさった仕事をひと言で要約し、続いて弟子たちのための祈りに入っていかれます。 弟子たちとの関係というのは、父の選びと彼らの将来に関することです。 この箇所全体にには(この章全体と言っても良いかも知れませんが)、弟子たちに対する信頼と、彼らの将来に対する確信がイエスの言葉の端々に滲み出ています。弟子たちは、この時点でまだ、イエスの御言葉を守ったわけでも、イエスの働きの全貌を理解したわけでも、イエスを神から遣わされた方と100%信じていたわけでもありません。実際には、この数時間後に、イエスを置き去りにしていなくなっていく弟子たちです。にも関わらず、イエスは、彼らの将来を予見しているかのように、「彼らは御言葉を守りました。・・・彼は知っています。・・・彼らはそれを受け入れ、・・・本当に知り、・・・信じています」と言われたのです。 イエスには神への揺るぎない信頼と共に、神が選び与えてくれた弟子たちへの信頼があったのです。この弟子たちへのイエスの信頼は、この後、弟子たちの宣教を通して、イエスを信じるようになるすべての者(私たち)に対する信頼でもあります。 S.D.ゴードンが書いた創作ですが、キリストが天にお帰りになったとき、大天使ガブリエルとの間で交わされた興味深い会話があります。ガブリエルがイエスに話しかけます。「主よ、あなたは下界の人間たちのために、ひどく苦しまれたことでしょうね。」「その通りだよ。」「それでは、人間たちはみんな、あなたが自分たちをどれほど愛され、自分たちのために何をなされたか、よくわかったことでしょうね。」「いや、そうじゃない。まだわかっていない。今は、ほんのわずかな人だけがわかっているのみだ。」「では、すべての人にそれを知らせるために、あなたはどうなさるのですか。」「私は、ペトロやヨハネやほかの人々に、私の証人となるように依頼した。彼らは、地の果てまで私を伝えてくれるだろう。」「しかし、主よ、彼らが疲れてきたらどうするのですか。もし21世紀の人々があなたのことをだれにも伝えなくなったら、どうするのですか。何かほかの計画を用紙しておられるのですか。」「いや、私にはほかの計画はない。もし彼らが失敗したら、ほかに方法はない。」 これはゴードンの創作ですが、この話しを初めて聞いた時、私の心は震えました。今の今まで神のために何もしないで立っていた私のような者も、イエスは神のぶどう園に招いておられるのです。のこり時間はわずかかも知れませんが、夢中になって働かせていただこうではありませんか。 「収穫は多いのに、働き手が少ない。」「朽ちる食べ物のためではなく、いつまでもなくならないで、永遠の命に至る食べ物のために(神の栄光のために)働きなさい。」 今週も大切なことを大切に。