土の器

宮本牧師のブログ

小さな宗教改革

今週の火曜日(10月31日)は宗教改革記念日です。今から500年前のその日、まだ若い修道士であったマルチン・ルターが、当時の教会に投げかけた一石が歴史を動かしました。以来、500年の歴史を通じて語られて来た宗教改革の3つの原則というものがあります。聖書のみ、信仰のみ、万民祭司、この3つです。 これまで100周年、200周年、300周年、400周年と、この記念日が、それぞれの時代に様々な位置づけで覚えられてきました。300周年、ルターの故郷ドイツでは、ナポレオンの支配からの解放を記念し、国民的な祝日として祝われました。400周年は、第1次世界大戦の最中、聖書を読む者たちが互いに敵対し、自国の利得を追究しているということで、ルターの業績が非難されました。それから100年、世界はかつてなかったほど激変し、グローバル化しました。宗教、宗派、文化、民族の垣根を越えた共生の道が示される中、ローマ・カトリック教会と、ルーテル教会が合同で500周年を祝うという話しがニュースになっていました。それは教会分断という傷を癒す困難な歩みの一歩かも知れません。しかし、宗教改革記念日に、私たちが宗教改革の源流を見直すことはもっと大切なことではないでしょうか。聖書のみ、信仰のみ、万民祭司です。聖書こそ、信仰と生活の唯一の規範です。人が義とされるのは、律法の行いによるのではなく、ただキリストへの信仰によるのです。すべてのクリスチャンは例外なく神の祭司(キリストの証人)です。もし少しでもぶれている所があるなら、「我ここに立つ」と、今年も小さな宗教改革を積み重ねて行きたいのです。 今週も大切なことを大切に。