土の器

宮本牧師のブログ

クリストス・バウム

クリスマスツリーの始まりはと言うと、諸説ありますが、宗教改革者マルチン・ルターによって始められたとも言われています。彼がミサからの帰り道、森の中を歩いていると、夜空に瞬く星が、森の木々の枝に点っているように見えました。感動したルターは、家に帰るともみの木にたくさんのローソクを飾ってクリスマスを祝ったというのです。 そんなクリスマスツリー発祥の地であるドイツで、クリスマスツリーのことを、むかし「クリストス・バウム」と呼んだそうです。クリストスとはキリストのこと、バウムとは木のこと(バームクーヘンのバーム)、つまりキリストの木という意味です。よく考えて見ると、キリストの生涯は木に関わっていました。キリストはベツレヘムの馬小屋の中で生まれ、木でできた飼い葉桶に寝かされ、父ヨセフの仕事を継いで大工として働き、最後は十字架を背負わされ、カルバリーの丘で十字架に掛けられて死んで行かれました。 ところで、クリスマスのシンボルと思われているクリスマスツリー、実は聖書には出て来きません。ルターの時代に始まるのですから・・・。しかし、クリストス・バウム(キリストの木)こそは、聖書全体の中心メッセージと言っても、まちがいないでしょう。それは私たちの想像する美しく飾られたクリスマスツリーとはちがい、見映えのしない怖ろしい十字架の木です。新約聖書が書かれたギリシア語では、木も十字架もクシュロンという同じ言葉が使われます。聖書が伝える最も大切な木とは、十字架です。神がこの世界に与えてくださった神様のクリスマスツリーとは、私たちに罪の赦しと永遠の命をもたらすイエス・キリストの十字架なのです。キリストの誕生を祝うクリスマスですが、もし私たちがキリストの最後を知らなければ、クリスマスを祝う意味が失われるのです。「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。」 2016年も最後の一週間、今週も大切なことを大切に。