土の器

宮本牧師のブログ

御言葉が閃く

ヨハネが記す「7つのしるし」の6番目、シロアムにおける盲人開眼の奇跡。すでに元盲人の証を通して、イエスこそ神のもとから遣わされて来た、シロアム、来たるべき者であることを学びましたが、その証しの結果、元盲人は会堂から追放されてしまいます。イエスをメシアと公言する者は、会堂から追放されることが決まっていましたが、それは言わば、市民権を剥奪されるようなものでした。彼は、この後、イエスを信じてイスラエル共同体から追放される者の第一号となったのです。ヨハネ福音書を書いた時代、会堂から破門された多くのユダヤ人クリスチャンにとって、あるいは様々なコミュニティから疎外された人々にとって、この物語は大きな励ましとなっていたにちがいありません。 彼が共同体から追放されたことを聞き、イエスはすぐに彼を捜しました。それは、まるで失われた一匹の羊を探す羊飼いのようでした。イエスは彼を見つけると、彼に近づき、「あなたは人の子(メシア)を信じるか」と言われました。彼の心は信じたい望み、見たい望み、拝みたい望みでいっぱいです。ここに至って、彼がまだ盲目であった時、イエスが「私たちは、私をお遣わしになった方の業を行わねばならない」と語り、地面に唾をし、唾で土をこねて彼の目に塗られたあの謎が解けていくのです。 彼にとっては激動の一日でしたが、まるで盲人が点字に触れ、深い意味をそこから読み取ろうとするかのように、その日の出来事を思い巡らしているうちに、御言葉が閃きました。創世記2章7節、「主なる神は、土の塵で人を形づくり、その鼻に命の息を吹き入れられた。人はこうして生きる者となった。」イザヤ書64章7節、「しかし、主よ、あなたは我らの父。わたしたちは粘土、あなたは陶工。わたしたちは皆、あなたの御手の業。」イザヤ書43章7節、「すべてわが名をもってとなえられる者をこさせよ。私は彼らをわが栄光のために創造し、これを造り、これを仕立てた。」次々と御言葉が閃く只中で、彼の心は天地万物の創造者、全能の神を信じたい望みでいっぱいになりました。「その方を信じたいのですが。」そこでイエスは言われました。「あなたは、もうその人を見ている。いま顔と顔とを合わせて、あなたと話をしているが、その人だ」と。 今週も大切なことを大切に。