土の器

宮本牧師のブログ

ただ一度のまなざし

「あなたは私の心をうばった。私の妹、花嫁よ、あなたは私の心を奪った。ただ一度のまなざしと 首飾りのただ一つの宝石で。私の妹、花嫁よ。あなたの愛は、ぶどう酒にまさって麗しく、あなたの香油の香は、すべての香料にまさっている。」(雅歌4:9-10)
雅歌は、単なる男女の歌を歌ったものではありません、そこには、神とイスラエルの愛が謳われており、また、キリストの教会も、雅歌をキリストと花嫁である教会の愛を表すものとして受け止めてきました。
雅歌を読んでいると、ヒロインである女性は、自分は色が黒い、平凡なものだと自分を卑下し、家に閉じこもり、岩の裂け目に身を隠してしまいます。しかし、花婿は、「御覧なさい、冬は過ぎ去った。雨もやみました。出て来なさい。あなたの顔を見せてください。声を聞かせて下さい」と呼びかけるのです。
何が、それほどまでに、花婿であるキリストの心を魅了し、夢中にさせたのでしょうか。「あなたは、ただ一度のまなざしで、首飾りの宝石の一つで、私の心を奪った。」
それは、花嫁の花婿を見つめるまなざしです。私たちの働きや能力や実績ではありません。それは私たちに示された圧倒的なキリストへの愛に答えて、キリストを見つめる愛のまなざしです。また、「首飾りの一つの宝石」とは、キリストへの従順を表します。
今日、私たちの信仰のまなざしを、心の目の焦点を、花婿キリストにあわせて、「イエス様、あなたを愛します。あなただけで十分です。イエス様来てください」と告白するなら、それだけでキリストの心を奪うことができるのです。その時、キリストは「あなたの愛は、何ものにもまさって麗しい」と言って、惜しみなくご自身の愛である聖霊を注いでくださいます。