土の器

宮本牧師のブログ

九つ転び十起き

NHK連続テレビ小説「あさが来た」の放送が終わりました。女性実業家で明治の女傑と言われた広岡浅子さんの生涯を描いたものでしたが、彼女が晩年クリスチャンになったことを、こちらのブログでも何度か紹介しました。残念ながらドラマではそこまで描かれませんでしたが、60歳の時に大病を患い、奇跡的に回復、それをきっかけに神の存在に目が開かれ入信。62歳で洗礼を受け、71歳で亡くなるまで、キリスト教の布教に励まれました。 広岡浅子さんは晩年、ある週刊誌に「一週一信」というコラムを「九転十起生」というペンネームで連載しています。「九つ転び十起き」はどんな困難にあっても決してあきらめるないという彼女のモットーで、「七転び八起き」を越える世界です。彼女の波乱に満ちた生涯が生み出した言葉なのでしょう。「七転び八起き」という言葉の由来には、縁起物のだるまをはじめ諸説があるようですが、聖書の中にもよく似た言葉があります。旧約聖書箴言24章16節にはこう記されています。「正しい者は七たび倒れても、また起き上がるからだ。」 7回転んでもまた起き上がる、9回倒れてもまた立ち上がる、キリストの復活を信じる私たちもそのような生き方に挑戦したいものです。パウロは言います。「わたしたちは、四方から苦しめられても行き詰まらず、途方に暮れても失望せず、虐げられても見捨てられず、打ち倒されても滅ぼされない」(コリントの信徒への手紙二4章8ー9節)と。フィリップス訳という聖書では、最後の部分が「ノックダウンすることがあっても、ノックアウトされることはない」と訳されているそうですが、まさに九転十起です。 キリストの十字架と復活を信じるクリスチャンの最大の特徴とは、倒れないことではなく、倒れてもその度にまた立ち上がることです。これを復活信仰というのです。 今日は地区の先生方の集まりがありましたが、暦年50年を迎えられた先生のために、ささやかなお祝いの席を持たせていただきました。先生の話を聞くといつも心が熱くなります。良いお手本が近くにいる幸いを感じました。 今週も大切なことを大切に。