土の器

宮本牧師のブログ

最も大切なこと

三浦綾子は『新約聖書入門』の中に、こんなことを書いています。「この世で何が信じられないといって、イエスの復活ほど信じられない事件はないかもしれない。実の話、私も復活が信じられない何年かがあった。洗礼を受けた時も、私は復活を信じたのではなく、十字架による自分の罪の赦しを信じたのであった。いや、聖書を読むと、使徒たちでさえそう簡単にはイエスの復活を信じたのではないことが分かる」と。 では、復活を信じることの出来なかった三浦さんは、どうして信じることができるようになったのでしょう。三浦さんは、その後の弟子たちの変化を理由に上げています。使徒言行録に描かれた弟子たちの生き生きとした目覚しい活躍。殉教すら恐れずにキリストの十字架と復活を伝える姿。この変化は、イエス・キリストの死後に何かが起こったとしか考えられません。何かが起こったのです。 アメリカの37代大統領リチャード・ニクソンの側近であったチャック・コルソンが、イエスの復活について興味深いことを語っています。チャック・コルソンは、ウォーターゲート事件への関与で有罪となった人物で、後に獄中で回心し、クリスチャンとなりました。彼の言葉です。「イエスの復活が事実かと質問されると、私は『弟子たちと五百人の人たちは、自分が目撃した事実を書いているのだ』と答える。すると、『どうしてそれが事実だとわかるのか』との質問が返ってくる。そこ私は、ウォーターゲート事件を例にとって説明する。この事件は、大統領に忠誠を誓った側近が共謀して起こした事件であった。(ニクソンを再選させるために、敵陣営(民主党)の選挙対策本部に盗聴器を仕掛けようとして捕まる事件。ビルの名前がワシントンDCのウォーターゲートビルでした。)しかし、側近の一人ジョン・ディーンは、当局の調査が始まってたった2週間で、自分の身を守るためにニクソンに不利な証言をした。たった2週間でこの事件の隠蔽工作は失敗に終わった。すると、だれも彼もが罪を軽くしてもらうために証言を始めたのだ。大統領の側近たちが直面していたのは、死の危険性ではなく投獄の可能性であった。しかし、イエスの弟子たちは死の危機に直面していた。にもかかわらず、彼らは、最後まで、イエスは復活したという証言を曲げることはなかったのだ。もしそれが陰謀だとするなら、殺される前にその中の一人くらいは白状していただろう。人は真実のためには命を捨てられても、嘘のために死ぬことはできない。ウォーターゲート事件隠蔽工作の失敗は、そんな人間の本性を明らかにしたのだ。」 イエスの弟子たちは、イエスの復活を否定することができませんでした。復活のイエスに出会ったからです。パウロは自らが伝えた福音についてこう語っています。「最も大切なこととしてわたしがあなたがたに伝えたのは、わたしも受けたものです。すなわち、キリストが、聖書に書いてあるとおりわたしたちの罪のために死んだこと、聖書に書いてあるとおり三日目に復活したこと、ケファに現れ、その後12人に現れたこと、・・・そして最後に、わたしにも現れたこと」です。これが、聖書が伝える最も大切なことなのです。 今週も大切なことを大切に。 今週のウィークデーの集会はすべて中止、延期となります。ご了承ください。