土の器

宮本牧師のブログ

クリスマスキャロル

24日クリスマスイブの礼拝が終わり、25日クリスマスの午後、30年も教会から離れていたAさんが55年の生涯に幕を下ろし、天国に旅立って行かれました。26日の朝、息子さんから電話があり、葬儀の依頼を受け、蟹江の葬儀場に出かけました。安らかに眠っているAさんを囲み、まだ若い二人の子どもさんとAさんのお母さんと共に祈りの時を持ちました。私は面識のない方でしたが、亡くなる前日、Aさんが大切に取っていた「洗礼証明書」を娘さんが発見し、時美さんが聖イエス会名古屋教会に通っていたことがわかりました。もしこの一枚の洗礼証明書が見つかっていなければ、葬儀を依頼されることもなかったと思うと、すべては主の導きであったと言わざるを得ません。亡くなる前に、親子で「葬儀はどうしたらいいの?」という話しもしていたそうですが、「キリスト教式であげてほしい」との希望でした。式の準備のために、その頃のことを知っていると思われる数名の教会員にAさんのことを尋ねました。教会に通っていた期間が短かったためか、あまり記憶にないとの返事でしたが、ある年のクリスマスに、青年部で演じた「クリスマスキャロル」の主役を自ら買って出たことがあったという話しを伺い、前夜式ではディケンズの「クリスマスキャロル」の話しをしました。過去、現在、未来に旅するスクルージ。みすぼらしい墓石に自分の名前を見つけた彼は、「どうか墓石に刻まれている私の名前をスポンジで消すことができると言ってください!」とすすり泣きます。やがて夢から覚めたスクルージは言いました。「私は鳥の羽のように軽く、天使のように幸せだ!さあ、みんなとクリスマスを祝おう!」、スクルージは生まれ変わったのです。Aさんの家では、クリスマスを特別な日としてお祝いしてきたそうです。この物語がAさんの心に生き続けていたのかも知れません。 Aさんの名前が入った御言葉を持って、Aさんを天国の教会に送りたいと思います。「神のなさることは、すべて時にかなって美しい」(コヘレト3:11新改訳)。