土の器

宮本牧師のブログ

夢を、運ぶね

その日、その時は、だれも知らない。天使たちも子も知らない。ただ、父だけがご存知である。 人の子が来るのは、ノアの時と同じだからである。 「その日、その時は、だれも知らない。天使たちも子(イエス・キリスト)も知らない」とあります。ここで言う「知らない」とは興味や関心がないという意味であって、文字通り、知らされていないと言う意味ではありません。使徒言行録の1章でも、弟子たちが「その時」について、イエスに尋ねたのを覚えていますか。イエスは、あの場面でも「父がご自分の権威を持ってお定めになった時や時期は、あなたがたの知るところではない」と答え、時については関心を示されませんでした。 ですから、終末を生きる私たちにとって大切なことは、その日その時がいつであるかを正確に知ることではなく、その日その時が近いと感じながら、目を覚まして、その日を待つということなのです。イエスは言われます。「だから、目を覚ましていなさい。いつの日、自分の主が帰って来られるのか、あなたがたには分からないからである」と。 では「人の子が来るのは、ノアの時と同じだからである」と言われているノアの時代のことを考えてみましょう。トヨタ自動車のミニバン、ノアのお陰で、日本人にとって「ノア」という響きは身近なものになりました。ノアの広告に「夢を、運ぶね」というのがありましたが、「ノア」という名前の由来はともかく、かなり聖書の物語を意識しているように思います。 ノアの物語は、創世記の6章から10章までに詳しく記されていますので、ぜひ読んでみてください。ノアは、人租アダムから10代目にあたる人物で、彼の時代に人類を滅ぼす大洪水が起こっています。その洪水は、旧約聖書のなかで、天地創造の物語に次ぐ大事件であり、イエスがここで「ノアの時」と言われたその出来事でもあります。