土の器

宮本牧師のブログ

知るべきである

エスは弟子たちとの最後の晩餐を終え、ゲッセマネに向かおうとされています。イエスは訴えるように言われました。「この世は、わたしが父を愛し、その御旨のままに行うことを知るべきである。さあ、立ちなさい、出かけよう。」ここでイエスが「知るべきである」と語気を強めて語っておられる「その御旨のままに」という、その御旨とは何であったのでしょうか。
「コード・アダム」という言葉をご存知ですか。
アメリカやカナダのショッピングモールや施設で使われる迷子のお知らせです。このアナウンスは、世界最大のスーパーマーケットであるウォルマートが提案したアナウンスだと言われています。その由来は、1981年、アダム・ウォルシュという6歳の男の子がフロリダのシアーズという大きなデパートで誘拐され、数週間後、遺体で見つかりました。その痛ましい事件は全米を震撼させました。日本では、迷子のお知らせがあっても、少し周りを気にするくらいですが、アメリカでコード・アダムというアナウンスが流れると業務が停止され、従業員もお客さんも一緒になって、迷子を捜すそうです。しばらくするともう一つのアナウンスが流れます。「キャンセル・コード・アダム。」子どもが無事、見つかりましたというアナウンスです。このアナウンスがあると、店中に拍手が起こり、みんながそれを喜ぶのです。
旧約聖書の創世記3章で、罪を犯した人類が初めて聞いた神の声を覚えていますか。罪を犯して、木の陰に隠れていたアダムを探しに来られた神が語った言葉です。「あなたはどこにいるのか」、これこそ、神の「コード・アダム」です。神のひとり子であるイエス・キリストは、父が命じられたとおりに、御旨のままに、失われたアダムを捜し出して救うためにこの世に来られました。
「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに世を愛された。それは御子を信じる者が、一人として滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。」
これこそ「この世は、私が父を愛し、その御旨のままに行うことを知るべきである」とイエスが語られた、私たちが知るべき、父の御旨なのです。