土の器

宮本牧師のブログ

オリエンテーション

エマオ途上の二人の旅人について、一人は「クレオパ」という名前が記録されていますが、もう一人はだれであるのかわかりません。聖書学者たちは、福音書を記したルカ自身であろうとか、クレオパの妻であろうとか考えるのですが、ルカは、そこに私たちが自分の名を当てはめて読むように促しているのではないでしょうか。私たちも行き詰まり挫折する時、失望と落胆のエマオへの道を歩いているのです。

その夕べ、ついに彼らの心の目が開かれて、それがイエスであることがわかりました。復活の主と出会いを、その身をもって体験した二人の弟子はただちに立ち上がり、エルサレムに向かって走り、仲間の弟子たちにその喜びを伝えました。

ある人が言いました。「クリスチャンとは、日没に向かって歩む者ではなく、日の出に向かって歩む者である。」地理的には、エマオはエルサレムの西にあったと考えられています。日没に向かって歩んでいた彼らが、日の出の方角に向かって歩み始めたのです。

東を指す表現に「オリエント」というのがありますが、この単語が基になってオリエンテーションという言葉ができました。説明会というレベルではありません。どちらに向いて進めばよいのか。東に向かって進みなさいという意味です。光に向かって背を向けていると、顔は暗くなります。しかし、方向転換して、光なるキリストに向かって歩み始めるなら、その顔は光を受け輝くのです。箴言4章18節にこう記されています。「正しい者の進む道は、あけぼのの光のようだ。いよいよ輝きを増して真昼となる。」

エマオの道を弟子らとともに、歩みしイエスは、今日も変わらぬ道連れなれば、かすめるわが目、たちまち開かれ、心は燃ゆ!