土の器

宮本牧師のブログ

ラザロよ!

「ラザロよ、出て来なさい。」英語の聖書では、「Lazarus, Come Forth!」と訳されていますが、Forth というのは「〜の前へ(先へ)」という意味です。ラザロにとって、墓場は彼の終着駅だったのでしょうか。死んだらそれで終わりだったのでしょうか。いいえ、まだその先がありました。あの日、ラザロの名を呼び、「外に出て来なさい」と彼を呼ばれたイエスは、今日も私たちを呼んでおられるのです。「ラザロよ、罪と不信仰の暗闇から出て来なさい。ラザロよ、悲しみと絶望の淵から出て来なさい。ラザロよ、古い自分自身から出て来なさい」と。 私たちは日頃から、さまざまな音や人の言葉に囲まれて生きています。人の言葉に傷つけられ、暴言や陰口に苦しんでいる人はいないでしょうか。でも一番よく聞く声は、意外に自分の声です。「ちぇっ」と舌打ちする時、誰かに言っているつもりで、実は自分に向かって、「やっぱりだめだ、どうせできやしない、もうおしまいだ」と言っているのです。そんな声に、やる気も自信も失い、一歩も前に、先に進めなくなっている人がいれば、その人こそラザロです。私たちは、どんな声よりもイエスの声を大きく聞こうではありませんか。その声を何度何度も聞こうではありませんか。イエスは「『彼らを信じさせるためです。』こう言ってから、『ラザロ、出て来なさい」と大声で叫ばれた。」 「すると、死んでいた人が、手と足を布で巻かれたまま出て来た。・・・マリアのところに来て、イエスのなさったことを目撃したユダヤ人の多くは、イエスを信じた。」 ラザロの物語が、あなたと私の物語となりますように。