土の器

宮本牧師のブログ

見て、知って、言われた

ヨハネが伝える7つの奇跡の3番目がベトザタの池の奇跡です。写真は、イスラエル博物館にある第二神殿時代(イエスの時代)のエルサレムを50分の1で再現したジオラマのベトザタの池です。先の2つの奇跡はガリラヤのカナでなされたので、この奇跡がエルサレムでなされた最初のしるしということになります。憐れみに富むイエスは、その池(プール)のほとりで38年の間寝たきりであった病人を、ただひと言葉を持ってお癒しになられました。ベトザタとはオリーブの家という意味ですが、のちにベテスダ、憐れみの家と読み替えられるようになったのは、この奇跡のためかもしれません。 そこに38年も病気で苦しんでいる人がいました。詳訳聖書では、「根深い<なかなか治らない>病気」と訳されていますが、ある牧師が「脳髄と手足の神経が切断された人、目だけが動いている人」と解説しておられたのが印象的でした。そうだったかもしれません。「イエスは、その人が横たわっているのを見、また、もう長い間病気であるのを知って、『良くなりたいか』と言われた。」この男がイエスと出会うのは今日が初めてですが、イエスは全地の眼差しによって、この男の悩みも、痛みも、悲しみもすべてをご存知でした。そして、憐れみ深く、慈悲に富むイエスは、自分の方から彼に近づいて行かれたのです。全知のイエスがただひとつ知りたかったことは、彼が本気で良くなりたいと願っているかどうかと言うことだけだったのです。そして彼が自分の惨めな姿、不幸な境遇にばかりに目を向けないで、いま目の前に立っているイエスに目を向けるように声をかけられました。「起き上がりなさい。床を担いで歩きなさい」と。 今週も大切なことを大切に。