土の器

宮本牧師のブログ

死の影

以前、イギリスの画家ウィリアム・ホルマン・ハントの「世の光」という作品を紹介しましたが、同じハントが描いた「死の影(Shadow of Death)」という作品があります。一日の仕事を終え、仕事場で両手を広げた青年イエスを描いたものですが、夕陽を浴びて、背景の壁に映ったのは十字架の影でした。それに気付き、驚きを隠せないマリアの後ろ姿も印象的です。ベツレヘムからカルバリーまで、黙々と十字架を背負われたイエスの生涯を象徴するような作品です。 エルサレムからの宗教議会からの調査団が洗礼者ヨハネのもとにやって来た翌日のことです。ヨハネは、自分の方に来られるイエスの上に「死の影」を見ました。そして、その日、ヨルダン川に集まっていた多くの群衆に向かって、いいえ、時代を越えて、今日も私たちにもイエスを指さしながら証しするのです。「見よ、世の罪を取り除く神の小羊」と。自分はメシアでも、エリヤでも、あの預言者でもない、荒れ野で叫ぶ声であると言ったヨハネが、「わたしの後から来られる方がある」と言い続けていた方がついに来られたのです。 今週も見るべきものを見続けることができますように。洗礼者ヨハネが指さしたお方を。