土の器

宮本牧師のブログ

イエスの愛しておられた弟子

イタリアはアシジにある聖フランシスコ大聖堂にあるピエトロ・ロレンゼッティの聖母マリアが幼きイエスを抱き、左右に聖フランシスコと福音記者ヨハネを描いた絵です。イエスが、左右に立つ二人のどちらを先に祝福すべきかを尋ねると、聖母が二人にわからないように、そっと右手の親指で、後ろに立つ聖フランシスコよと教えているという、微笑ましくい絵です。それほどこの二人はキリストに瓜二つであったという話です。 ところで、ヨハネが書いたとされるヨハネ福音書ですが、実は彼の名前が一度も出てきません。福音書には、これを書いたのが「イエスが愛しておられた弟子」であったと記されているだけです。3度そう書かれていますが、21章20節で確認してみましょう。「ペトロが振り向くと、イエスの愛しておられた弟子がついて来るのが見えた。この弟子は、あの夕食のとき、イエスの胸もとに寄りかかったまま、『主よ、裏切るのはだれですか』と言った人である。」 教会は、昔も今も、このイエスの愛しておられた弟子がヨハネであると信じて疑いません。もちろん、神は公平なお方であって、すべての人を平等に愛しておられるはずですが、受け取り方は自由です。ヨハネは自分のことを「イエスが愛しておられた弟子」と呼びたかったのです。もちろん、自慢するためでも、彼の勘違いでもありません。彼はほんとうにイエスが愛しておられた弟子であったからです。 今週も大切なことを大切に。