土の器

宮本牧師のブログ

イエスの御名は薬です

聖イエス会は、勤労感謝の日である11月23日を「健康感謝の日」と定め、一年の働きと健康を神に感謝します。アメリカやカナダでも、この時期に「収穫感謝祭(Thanksgiving)」が祝われます。清教徒たちがアメリカに渡り、最初の大地のみのりを神にささげたことが始まりだそうです。忙しい師走を迎える前に、一年をふり返り、神に感謝することは大切なことではないでしょうか。 12世紀のフランスに、クレルボーのベルナルドという聖人がいました。彼は「雅歌について説教」の中で、「イエスの御名は薬である」と教えています。日本は世界の製薬市場の4割を占めるというデータもあるようですが、ベルナルドが教える良薬とはどのようなものなのでしょうか。クレルボーの修院長の味わい深い文章です。 イエスの御名は薬でもあります。あなたたちのだれが悲しんでいるのですか。心のうちにイエスが入って来て、その口に出ますように。そうすれば、御名の光りが発するやいなや、すべての雲が消え、晴天が戻るのです。だれかが罪のうちに落ち込んでいるのですか。あるいは、それ以上に死の穴に絶望して落ち込もうとしているのですか。もしいのちの御名を呼ぶなら、すぐにいのちへと息を吹き返させられるのではないでしょうか。心のかなくなさ、惰弱の眠り、霊魂の恨み、不熱心の無気力が、救いの御名を前にして消えたのではなかったでしょうか。涙の泉がたとえ乾いていたとしても、イエスを呼び奉ることによって、急により豊かな涙があふれ出、より甘美に流れたのではなかったでしょうか。危険におびえ、震えている者で、力強い御名を呼んでただちに確信を与えられ、恐れを遠ざけられなかった者がいるでしょうか。疑いのうちに苛立ち、動揺していた者で、晴朗な御名を呼んで、たちまち確かさが輝き出なかった者があったかと私は尋ねます。逆境において自信を失い、あるいはすでに落胆していた者で、助けの御名が鳴り響いても、力がなかった者があったでしょうか。疑いもなくこれらは霊魂の病気と衰弱なのですが、イエスの御名は薬です。・・・ 何ものもイエスの御名以外に怒りの激しさを抑え、傲慢のはれ物をへこませ、蒼白の傷を治し、邪淫の流れを制御し、欲望の炎を消し、貪欲の渇きをやわらげ、また、すべての焦りを追い払うものはありません。もし、私がイエスの御名を呼ぶならば、私は心の柔和で謙遜なお方、親切で、節度ある、純粋で、あわれみ深い、そして、結局すべての誠実さと聖性とにおいてきわだったお方、すなわち、その模範によって私を癒し、助けによって強めてくださる全能の主ご自身を私の前に置くのです。イエスの御名が響くや否やこれらのすべてが、同時に私に鳴り響くのです。こうして、私は人間イエスから模範を、権能を持ったお方から助けを受け取るのです。 (雅歌についての説教、第15説教、いかにイエスの御名がキリスト信者にとってあらゆる逆境においていやしの薬であるか。) 今週も大切なことを大切に。