土の器

宮本牧師のブログ

「パンの奇跡」と「教会はキリストの体」

パンの奇跡は、四福音書のすべてに記されている唯一の奇跡です。イエスのなさった奇跡の中では珍しい大衆の面前でなされた、しかも大衆が対象となった奇跡です。みんなが奇跡のパンを食べました。弟子たちの手が用いられたという点でもユニークな奇跡であり、もっと言えば、一人の少年がささげたパンによって始まったという点でも特別な奇跡です。パンをささげたのが「少年」であったと書いているのはヨハネだけですが、そこにもヨハネの特別な思いが詰まっているのでしょう。とにかく、弟子たちにとっては、生涯忘れることのできない、これだけは後世の教会にどうしても伝えておかなければならないと思えたほど、大きなインパクトを残した奇跡だったのです。 1月の礼拝では、今年の標語、「教会はキリストの体」という御言葉からこの奇跡を学んできましたが、弟子たちがパンを配り、キリストの手の役目を果たしたという点において、教会はキリストの体です。また、青草の茂る原に座り、イエスがふるまうパンを食べる群衆の姿にも、教会のあるべき姿を見ることができました。また、最後の晩餐の記事で、イエスがパンを裂く姿を描くことなく、その姿をパンの奇跡とそれに続く説教に重ねようとしたヨハネにとっては、イエスの裂かれたパンを食べたこと自体が、キリストと一体とされるというまさにパンの奇跡であり、教会はキリストの体というメッセージだったのです。 昨日の礼拝では、礼拝後に教会総会が持たれることもあったので、少し物語から離れて、教会はキリストの体というメッセージを、角度を変えて学び、私たちが目指すべき教会の姿について語らせていただきました。 今日から2月、今週も大切なことを大切に。