土の器

宮本牧師のブログ

眠れない夜をも

スイスの思想家カール・ヒルティは法律や政治にも長けた人物ですが、「幸福論」や「眠られぬ夜のために」の著者としても知られています。どちらも魅力的なタイトルですね。「眠られぬ夜のために」。題名からすると、眠れないときに、どうしたら眠れるのかが書かれていると思われるかもしれませんが、そうではありません。眠れない夜はつらいものでしょうが、その眠れない貴重な時間を、自分自身をふり返り、もっと大切なことに思いを馳せるために使いましょう、という趣旨の本です。 ヒルティは言います。「眠れない夜をも神の賜物と見なすのが、つねに正しい態度であろう。それは活用されるべきものであって、むやみに逆らうべきではない。・・・そういう時にこそ、ふだんよりもはっきり聞こえる、あの静かな声に耳を傾け、そして他の一切の考えを退けるのが正しいであろう」と。 眠られぬ夜でなければ聞くこのできない声があるなら、その声にていねいに耳を傾けたいものです。ヨハネによる福音書の3章には、眠られぬ夜にイエスを訪ねて来た一人の人が登場します。この物語から、あの有名なヨハネ3章16節へと発展していくのですが、この辺りを少し時間をかけて学んでみたいと思っています。 3:1 さて、ファリサイ派に属する、ニコデモという人がいた。ユダヤ人たちの議員であった。 3:2 ある夜、イエスのもとに来て言った。「ラビ、わたしどもは、あなたが神のもとから来られた教師であることを知っています。神が共におられるのでなければ、あなたのなさるようなしるしを、だれも行うことはできないからです。」 3:3 イエスは答えて言われた。「はっきり言っておく。人は、新たに生まれなければ、神の国を見ることはできない。」 今週も大切なことを大切に。