土の器

宮本牧師のブログ

主の過越

エジプトに9つの災いが臨んだ後に、主はモーセに命じられました。聖書をそのまま引用しますので、想像と信仰の翼を広げてください。出エジプト記12章1節以下。 1 エジプトの国で、主はモーセとアロンに言われた。2 「この月をあなたたちの正月とし、年の初めの月としなさい。3 イスラエルの共同体全体に次のように告げなさい。『今月の十日、人はそれぞれ父の家ごとに、すなわち家族ごとに小羊を一匹用意しなければならない。・・・5 その小羊は、傷のない一歳の雄でなければならない。・・・6 それは、この月の十四日まで取り分けておき、イスラエルの共同体の会衆が皆で夕暮れにそれを屠り、7 その血を取って、小羊を食べる家の入り口の二本の柱と鴨居に塗る。・・・11 それを食べるときは、腰帯を締め、靴を履き、杖を手にし、急いで食べる。これが主の過越である。12 その夜、わたしはエジプトの国を巡り、人であれ、家畜であれ、エジプトの国のすべての初子を撃つ。また、エジプトのすべての神々に裁きを行う。わたしは主である。13 あなたたちのいる家に塗った血は、あなたたちのしるしとなる。血を見たならば、わたしはあなたたちを過ぎ越す。わたしがエジプトの国を撃つとき、滅ぼす者の災いはあなたたちに及ばない。14 この日は、あなたたちにとって記念すべき日となる。』」 最後の災いとは、エジプトの国中の初子を神が撃たれるということでした。それはエジプトにとっては歴史から抹消しなければならないほどの事件であり悲しみの日でしたが、神の民にとっては新しい歴史の始まりとなりました。モーセイスラエルの長老たちを呼び寄せ、神に命じられたことを告げます。それが21節以下です。この過越の出来事は記念として語り継がれるようになりますが、過越の食事は各家庭で持たれました。いつもとはちがう食卓を見て子どもが尋ねます。「この儀式にはどういう意味があるのですか。」すると親たちは「これが主の過越の犠牲である。主がエジプト人を撃たれたとき、エジプトにいたイスラエルの人々の家を過ぎ越し、我々の家を救われたのである」と答え、出エジプトの物語を子々孫々まで語り伝えるのです。 過越については、キリストの救いを象徴する様々な要素が隠されていて興味深いところですが、今日は一点だけにお伝えします。28節。「それから、イスラエルの人々は帰って行き、主がモーセとアロンに命じられたとおりに行った。」この尋常ではない命令に対し、イスラエルの人々は命じられたとおり行ったとは驚きです。このことについて、ヘブライ人への手紙にはこう書かれています。「信仰によって、モーセは滅ぼす者が長子たちに手を下すことがないように、過越の食事をし、小羊の血を振りかけました」と。