土の器

宮本牧師のブログ

事件の後

その頃、周辺諸民族を平定し、ダビデの国づくりは着実に土台を築きつつありました。ちょっとした気の緩みがあったのは否めません。アモン人との戦いにも出かけず、いかにもだるそうな体を宮殿で持て余していました。そして、事件が起こったのです。午睡から目を覚まし、屋上を散歩していると、ひとりの美しい婦人が水浴びをしているのが目に留まりました。かつては神という一点を見つめていたはずのダビデの澄んだ目が、いつの間にか曇り、多くのものに目移りし、心が引かれていったのです。ダビデは、彼女が欲しくなり、誤った関係を持つに至ります。それが引き金となり、彼はさらに大きな過ちを犯します。ダビデは、隣人ウリヤの妻をむさぼり、十戒だけではなく、七戒の姦淫、八戒の盗み、九戒の偽り、最後に六戒の殺人を連続的に破ってしまったのです。バト・シェバ事件は、単なる姦淫の罪ではなく、むさぼりから始まって、姦淫、盗み、偽り、殺人の罪までが織りなされている恐るべき罪です。 この恐ろしい事件の後、預言者ナタンがダビデのもとに来て彼の罪を暴きました。「なぜ主の言葉を侮り、わたしの意に背くことをしたのか。あなたはヘト人ウリヤやを剣にかけ、その妻を奪って自分の妻とした。ウリヤをアモン人の剣で殺したのはあなただ。」その時、ダビデは何の反論もできずに、「わたしは主に罪を犯した」と罪を悔います。そんなダビデの思いと魂の祈りが詩篇の51編です。ダビデはこれを震える手で書いたのではないでしょうか。 指揮者によって。賛歌。ダビデの詩。 ダビデがバト・シェバと通じたので預言者ナタンがダビデのもとに来たとき。 神よ、わたしを憐れんでください。御慈しみをもって。 深い御憐れみをもって、背きの罪をぬぐいさってください。 わたしの咎をことごとく洗い、罪から清めてください。