土の器

宮本牧師のブログ

或るクリスマスの出来事

ひどく寒い冬のある日、一人の農夫が、誰かが台所の窓を叩き続ける音を聞きました。驚くことに、窓の外で寒さに凍えた小さなすずめたちが、暖かい部屋の温度に惹かれて、頭でガラス窓を空しく突いていたのです。それで農夫は足跡ひとつない雪をかき分けながら、農場の物置小屋の扉を開けるために出て行きました。彼は明かりをつけて藁を敷き、その上に菓子くずを落としておきました。菓子くずをたどって暖かい小屋の中へ導こうとする農夫の意図を理解できず、すずめたちはただ恐れて暗闇に隠れてしまいました。農夫はいろんな方法を使ってみました。すずめたちの後ろに行って小屋の方へと追いやってみたり、すずめたちが自ら小屋の中へ飛び込んでいかないかとじっと見つめてみたりもしました。しかし、すずめたちが動くことはなく、農夫の意図をまったく理解することができませんでした。 今にも凍え死にそうなすずめたちを見ていた農夫の心に、ある思いが浮かびました。「もし私が少しの間でもすずめになり、彼らの言葉で話しかけることができたなら、彼らを暖かく安心な場所へと案内できるのに。」そして同時に、キリストの受肉の神秘と十字架の意味が、心の奥底から理解できるようになったのです。 以前、ぶどう樹で紹介させていただいたことのある「或るクリスマスの出来事」という詩を、昨日の祈祷会で読みました。もとは、今日の文章のようなアメリカの短波放送で流されたクリスマスの物語が題材になっているようですが、何度読んでも神が人となれた理由が心に染み感動します。ほんとうに神は人となられたのです。 クリスマス・シーズンに入り、毎日たくさんの方にブログを読んでいただいています。教会に行かれたことのない方がありましたら、ぜひ今年のクリスマスは教会にお出かけください。次の日曜日がクリスマス礼拝です。