土の器

宮本牧師のブログ

危機

あの信仰告白から一週間が経過していました。イエスはペトロ、ヤコブヨハネを連れて、高い山に登られます。ルカ福音書によれば、それは「祈るため」でした。そして、祈っておられるうちに、イエスの顔の様子が変わり、太陽にように輝き始めます。変貌山と呼ばれる出来事です。古くはタボル山、最近ではヘルモン山がその出来事の舞台ではなかったかと考えられていますが、場所を特定すること以上に重要なのは、主の変容の目的です。 主の変容の目的は、イエスが天地の初めから持っておられた栄光を弟子たちに目撃させ、これから起こる十字架のつまずきを取り除き、さらに十字架によって成し遂げられる救いが、どれほどすばらしいものであるかを知らせることでした。 「6日の後」という言葉が気になりました。その一週間は弟子たちとって心が沈むような毎日だったのではないでしょうか。あの信仰告白の後に語られた、イエスの死の予告が弟子たちの心に影を落としていたからです。イエスの心中も察するに穏やかではなかったように思います。十字架があからさまに否定されてしまったからです。弟子たちに理解されない苦悩と孤独。聖書が何も語らない沈黙の一週間。18世紀に活躍したウエストミンスターチャペルのキャンベル・モルガン牧師が「キリストの危機」という本の中で、この一週間もキリストの生涯における危機の一つであった語っています。さて、そんな時、イエスはどこに行かれ、何をされたのでしょうか。・・・イエスは祈るために山に登られたのです。 あなたにも危機がありますか? 孤独と苦悩に、行き詰まるとき、イエスに導かれ、祈りの山に逃れましょう。