土の器

宮本牧師のブログ

獄中から

12人を選び使徒と名付け、派遣の勧めを語られたイエスは、自らもガリラヤ地方の町々を巡り歩き、宣教に励んでいました。その最中、マタイはイエスを巡る新しい状況をまるでページをめくるように大きく展開させていきます。そこに再び登場するのが洗礼者ヨハネです。 「ヨハネは牢の中で、キリストのなさったことを聞いた。そこで、自分の弟子たちを送って、尋ねさせた。『来たるべき方は、あなたでしょうか。それとも、ほかの方を待たねばなりませんか。』」 ルカの平行記事を見ると、この直前に、特筆すべき二つの奇跡が起こっていたことが記されています。それが百人隊長の僕の癒しとナインのやもめの一人息子の復活です。これら一連の出来事が、ガリラヤの領主ヘロデ・アンティパスの怒りを買ってマルケスの要塞の牢に幽閉されていた洗礼者ヨハネの耳にも届いたのです。ヨハネは弟子たちに質問状を持たせ、イエスのもとへと送りました。洗礼者ヨハネは、メシアの到来を告げ、その道を整えた人物ですが、マタイはここで再び彼を登場させ、イエス・キリストがどなたであるのかを確かめさせようとするのです。