土の器

宮本牧師のブログ

神の時計

私たちが時計を見るのは、今の正確な時間を確認するためですが、もっと重要なのは、次の予定まであと何分かを確認するということです。時間にうるさい日本人であればなおさらのことです。時間まであと2時間もあれば、のんびりお茶でもできるでしょうか。あと30分、15分となれば、時計が気になります。そして、あと1−2分ともなれば、あと何秒かを気にしながら行動するようになるのです。

シカゴ大学にある「運命の日の時計」(Doomsday clock)のことをご存知でしょうか。核戦争などによる人類の終末を午前零時になぞらえ、残り時間を「零時まであと何分」という形で象徴的に示す時計です。科学雑誌に名を連ねる有識者たちが、その時の世界情勢を見ながら、時計の針を進めたり戻したりします。2022年現在、時計は「零時まであと100秒」を指しています。今年のパネリストによれば、「核兵器、パンデミック、気候変動、生物学的脅威、人工知能や近年急速に拡散される偽情報など、地球を脅かす新たな課題は山積している」と話し合いました。それは「当たらずとも遠からず」というところでしょうが、確かな時刻を伝えているとは言えません。

私たちにはもっと正確な、注目すべき時計が与えられています。それが神の時計です。 神の時計とは、神の言葉である聖書といちじくの木に譬えられた神の選民イスラエルの動向です。旧約聖書は時計の短い針(時針)であり、新約聖書は長い針(分針)です。それを見れば、今がどういう時であるかがわかります。この二つの針が12を指すその時こそ、今の世と来るべき世をわかつ決定的な瞬間です。その時が刻々と近づいています。あと何秒かを気にしながら行動しなければならない時が来ているのです。

神の時計の秒針、それはイスラエル民族の動向です。1948年5月14日、2千年という長い世紀に渡り、故国を失っていっていたイスラエル民族が国を建国し、歴史の舞台に帰ってきました。それは終末の預言における終わりの始まりです。そして、コロナ禍で中断しているようには見えますが、私たちの前でくり広げられているイスラエルとの交流と、彼らの内的な変化を見るとき、確かに神の時計は終わりを指して急いでいることに気がつかなければならないのです。