土の器

宮本牧師のブログ

いちじくの木の下

ヨハネ福音書が伝える最初の1週間の5日目の出来事です。その日も、二人の新しい弟子がイエスに従い始めました。フィリポとナタナエルです。ナタナエル(バルトロマイ)は、フィリポによって導かれます。フィリポはいちじくの木の下にいたナタナエルを見つけ、「来て、見なさい」と、彼をイエスのもとに導きました。そこからイエスとナタナエルとの対話が始まります。この箇所で大切なのが、実は「いちじくの木の下」です。今のように印刷された聖書がなかった時代、ユダヤ人はシナゴグ(ユダヤ教の会堂)でラビから聖書を学びました。その大半が聖書の暗唱に費やされ、ユダヤ人たちは、羊皮紙の巻き物に書かれた聖書が朗読されるのを聞いて、それを耳で覚えたのです。そして、ある書やある章を暗記すると、その内容を黙想するようにラビから教えられました。その黙想と祈りに最適の場所と考えられたのが、いちじくの木の下だったのです。有名なラビ・アキバも、いちじくの木の下で熱心に御言葉を学び、真理を求めたと言われています。ですから、ナタナエルがいちじくの木の下にいたと言うのは、彼の生活と信仰をよく表していました。彼はそこで黙想と祈りの生活をしていたのです。もっと言えば、彼はそこで主を慕い求めていたのです。 今週も大切なことを大切に。