土の器

宮本牧師のブログ

二つのこと

モーセはその不思議な光景を見届けようとそこに近づきました。すると柴の間から、「モーセよ、モーセよ」と、神が語り始めたのです。モーセは「はい」と答え、靴を脱ぎました。神はモーセに、出エジプトという壮大な計画について語り、エジプトで苦しむイスラエルの民を約束の地に導き上るように命じられました。しかし、モーセは今ある無力な自分の姿を見て、「私は何者でしょう(私は無なる者です)。どうして私なのですか」と答えるしかできませんでした。彼が荒野での40年の日々、学んだことがあるとすれば、それは羊の飼い方ではなく、自分がいかに無なる者であるかということだったのです。彼は語りかける神にその名を尋ねました。そこで神は、モーセにその名を告げられたのです。「わたしはある。わたしはあるという者だ。」それは私たちの無を、一瞬のうちに埋め尽くすことのできる神の御名でした。まさに、それは無と有との出会いでした。 シエナの聖女カタリナについて語り継がれている逸話を思い出します。彼女が深い祈りに潜心していたとき、主が彼女に語られました。「わが娘よ、あなたが何ものであり、私が何ものであるかを知っているのですか。あなたにこの二つのことがわかったら、あなたは幸いなものです。あなたは無いものであり、私は有るものです。もしあなたがこの真理をあなたの霊魂に保つならば、・・・(あなたは)あらゆる恵み、あらゆる真理、あらゆる光明をたやすく手に入れるでしょう。」(『聖人たちの知恵』) あなたは失敗や挫折という荒野で何を学びましたか。 次の日曜日も人数制限をしての分散礼拝を行う予定ですが、YouTubeによる配信を続けていますので、リモートで参加できる方は積極的に利用してください。第1礼拝は10時から、第2礼拝は11時15分から、それぞれ45分ほどの集会になります。