土の器

宮本牧師のブログ

ヤコブの物語

讃美歌「主よみもとに近づかん」は、1921年タイタニック号が氷山に接触して沈没するという海難事故の中、船に残った人たちが最後まで歌い続けた賛美歌として知られていますが、その歌詞の内容は、創世記28章のヤコブ物語から取られています。 アブラハム家の三代目ヤコブは、兄エサウを欺いて長子の権を奪い、父イサクを騙して、その祝福を自分のものとした結果、父の家を追われますが、石を枕にして眠った夜、彼は天から伸びてくる階段(梯子)を見せられます。彼は言いました。「ここは、なんと畏れ多い場所だろう。これはまさしく神の家である。そうだ、ここは天の門だ。」 そんなヤコブの物語は創世記25章の誕生からはじまり、50章の葬りまで続きます。そう思えば、創世記とは、事実上、ヤコブとその一族の物語と呼んでも言い過ぎではありません。波乱に満ちたヤコブの生涯はドラマチックです。彼にはアブラハムのような信仰も、イサクのような素直さもありません。どちらかと言うと、騙し騙される人間の嫌な部分を見せられます。そんな彼の生涯のハイライトと言えるかも知れません。創世記32章の「ペヌエルでの格闘」から学びましょう。 今週も大切なことを大切に。