土の器

宮本牧師のブログ

我らは四人であった

今回の葬儀で紹介した内村鑑三先生の言葉から。19歳の長女ルツ子さんを天に送った後に書いたという短い詩です。 我らは四人であった。 しかして今なお四人である。 戸籍帳簿に一人の名は消え 四角の食台の一方はむなしく 四部合唱の一部は欠けて 讃美の調子は乱されしといえども しかも我らは今なお四人である。 我らは今なお四人である。 地の帳簿に一人の名は消えて 天の記録に一人の名はふえた。 三度の食事に空席はできたが 残る三人はより親しくなった。 彼女は今なお我らのうちにいる。 一人は三人を縛る愛の絆となった。 しかし我らはいつまでもかくあるのではない。 我らは後に又前の如く四人になるのである。 神のラッパの鳴り響く時 寝れる者が皆起き上がる時 主が再びこの地にきたり給う時 新しきエルサレムが天より降る時 我らは再び四人になるのである。 四人とは内村先生の家族構成を示しますが、私たちも先に天に召された方々に想いを馳せるとき、かつて一緒に過ごした人数を入れて読むことができます。内村先生は長女の眠る墓地のひと握りの土をつかんで「ルツ子さん、万歳」と叫んだと言います。それはやせ我慢でも強がりでも現実逃避でもなく、彼の信仰でした。 「わが国籍は天にある。」また会う日まで。 次の日曜日は6月のオープン礼拝になります。ぜひお出かけください。