土の器

宮本牧師のブログ

私を変えた聖書

作家の三浦綾子さんが、『わが青春に出会った本』の中で、最後に『聖書』を取り上げ、「ここでひとこと断っておかねばならない重要なことがある」と、この本をまとめておられます。以下、三浦さんの言葉です。 「それは、私にとって聖書は、他の本と同列に置くことのできない書物だということである。私は(ヘッセの)『デミアン』だの、(ジイドの)『田園交響楽』だの、(漱石の)『三四郎』だのを紹介してきたが、これらの本の一冊として、この聖書があるのではない。これらの本は私の人生にとって、正に出会いとも言うべき性質を持ってはいるが、しかしこれらの本に出会わなければ、私の一生はちがっていたというわけではない。極端にいうと、どの本に出会わなくても、聖書に出会ったことで、私の人生は変わったと言える。聖書は、虚無的で絶望的な生活を送っていた私を、真の実在であるキリストの神の前に引き出してくれた。 キリストの愛が、私の罪を知らしめ、十字架のあがないによらなければ、私の罪は赦されないことを教えてくれた。そして、キリストが死んで三日目に甦ったことを知った。・・・虚無と絶望の日々は嘘のように過ぎ去り、・・・希望と平和の中に生きることができた。 このように私を変えたのは、聖書による信仰である。聖書のみが私に真の力を与えた本である。・・・私を変えたこの聖書が、多くの方の人生を、闇から光へ、不安から平安へ、絶望から希望へ変えてくれることを確信して、短い紹介を終えることにしたい。」 英語でThe Book(この本)と言えば、それは聖書のことです。本の中の本である聖書について、こんな話しを聞きました。「本」という漢字を逆さにすると何に見えるかというのです。想像できますか。まるで開いた本の真ん中に十字架が立っているように見えないでしょうか。聖書を開くと、そこに十字架が見えてくる、それは真理です。この真理が私たちを自由にするのです。 「灯火親しむべし」と言われますが、読書の秋に、聖書をじっくり、たっぷり読みたいものです。