土の器

宮本牧師のブログ

つみびと

花の詩画集で知られている星野富弘さん。群馬県の東村(現・みどり市)にある富弘美術館は今年で開館25周年を迎え、その記念「あの時から空がかわった」という新しい詩画集が出ました。今回も素敵な詩画とエッセイでいっぱいです。 タチアオイの絵は「つみびと」という題が付けられ、星野さんらしいユーモアにあふれた詩です。 むかし罪人だったというあなた、 今も相変わらずつみびとなんですね。 毎日毎日、目に見えない宝を天に積み上げている、 すばらしい積み人です。  ツルバラの絵は「当てはずれ」という題です。 あなたは私が考えていたような方ではなかった。 あなたは私が想っていた方からは来なかった。 私が願ったようにはしてくれなかった。 しかし、あなたは私が望んだ何倍ものことをしてくださった。 星野さんは、大学卒業後、夢に胸を膨らませて中学の体育の教師になりました。教師になってまだ2ヶ月、放課後のクラブ活動中に、前方宙返りで着地に失敗、頸椎損傷で首から下が動かなくなってしまいました。9年の病院生活の後、不治のまま退院。病院生活中に、信仰に導かれ、また口で筆をくわえ、字を書いたり、絵を描いたりするようになりました。生涯車いす生活は、当てが外れたということだったでしょうか。信仰に導かれ、癒されたいという思いもあったことでしょう。でも「願ったようにはしてくれなかった。」この一文に秘められた思いを想像して、ため息が出ました。それでも「望んだ何倍ものことをしてくださった」と神の恵みを噛みしめる姿に心を打たれます。先日、いま闘病中の教会員がこの「当てはずれ」という詩を何度も読み返し励ましを得ていると話してくれました。神様が考えていたような方で、想っていた方から来られ、願ったようにしてくれていたら、わからない世界を経験しておられるのだと思いました。 今週も大切なことを大切に。毎日毎日、目に見えない宝を天に積み上げましょう。救われた積み人として。