土の器

宮本牧師のブログ

28時間45分

今日は体育の日ですね。 ゾーエ・コブロウィッツさんは、2007年11月5日、ニューヨークシティマラソンを完走しました。優勝タイム(男性が2時間9分4秒、女性が2時間23分)と比べると、ずいぶん遅いゴールでした。彼女のタイムは、28時間45分。30年前に、彼女は多発性硬化症と診断されていました。彼女が最初にニューヨークシティマラソンを走ったのは1988年のことで、その時の記録は20時間を切っていました。それ以来彼女は、ロンドン、ボストンでも走り、20回以上もフルマラソンに参加していました。 その年、彼女は背中と膝に添え木を当てて、紫色の杖をついて同伴者と共に全行程を歩きました。レース終了後、彼女はこうコメントしています。「ゴールには入れただけで本当に嬉しいです。若返ることも、この病気が良くなることもないのですから。」 ある記者はこのように書きました。「優秀なランナーたちが彼女を抜いて行った時も、彼女は歩き続けた。そして、最終ランナーが彼女を抜いて行った時も、彼女は歩き続けた。黙々と前だけを向いて。」ニューヨーク市多発性硬化症協会の幹部の方の談話です。「彼女は(自分の病状を正しく理解し受け止めています。しかし)、多発性硬化症によって束縛されることを拒絶したのです。彼女こそ、本物のチャンピオンだと思います」と。 もう無理だよ、これで終わりだよと告げるような出来事が、私たちを取り囲んでいるとしても、その現状は無視できなくても、そういう言葉や空気に支配され、束縛される必要はありません。現状を一瞥したら、次の瞬間、その問題よりも大いなる御方に信仰のフォーカスを向け、そこに集中すればよいのです。 台風が近づいているようですが、今週も大切なことを大切に。