土の器

宮本牧師のブログ

燃える柴の間から

その日、モーセはいつものように荒野で羊を追いかけていましたが、知らぬうちに神の山に導かれていたのです。彼はそこで燃える柴を発見しました。思えば、彼の人生、エジプトでは、自分の使命というものを感じ、夢を抱いて燃えに燃えていました。しかし、あの日の情熱はもはや消えうせ、すでに燃え尽きたと感じていたのです。そんな彼が、燃え尽きない柴と出会って、敗者復活の人生を始めるのが出エジプト記のストーリーです。 モーセはその不思議な光景を見届けようとそこに近づきました。すると柴の間から、「モーセよ、モーセよ」と、神が語り始めたのです。モーセは「はい(ヒネニー)」と答え、靴を脱ぎました。神はモーセに、出エジプトという壮大な計画について語り、エジプトで苦しむイスラエルの民を約束の地に導き上るように命じられました。しかし、モーセは今ある無力な自分の姿を見て、「私は何者でしょう(私は無なる者です)。どうして私なのですか」と答えるしかできませんでした。彼が荒野での40年の日々、学んだことがあるとすれば、それは羊の飼い方ではなく、自分がいかに無なる者であるかということだったのです。彼は語りかける神にその名を尋ねました。そこで神は、モーセにその名を告げられたのです。「わたしはある。わたしはあるという者だ。」それは私たちの無を、一瞬のうちに埋め尽くすことのできる神の御名でした。まさに、それは無と有との出会いでした。 今日は午前中、市内での家庭集会がもたれ、帰り道にご高齢の信徒宅を訪問させていただきました。