氷点
氷点を通して、三浦綾子さんが書きたかったこととは何だったのでしょうか。
死を決意した陽子の遺言です。
「いま陽子は思います。
一途に精いっぱい生きてきた陽子の心にも、氷点があったのだということ。
私の心は凍えてしまいました。
陽子の氷点は、『お前は罪人の子だ』というところにあったのです。……
私は今まで、こんなにゆるしてほしいと思ったことはありません。
けれども今ゆるしがほしいのです。
おとうさまに、おかあさまに、世界のすべての人々に。
私の血の中を流れる罪をハッキリゆるすと言ってくれる権威あるものがほしいのです。」
この陽子の叫びは、自分の真相を知り、
自分の限界を知ったすべての人間の魂の叫びではないでしょうか。
だれもが、自分の血の中を流れる罪を、生まれてから今日に至るまで、
人に対して犯した罪や過ちの数々、自分の醜い心を、
ハッキリ「ゆるす」と言ってくれる権威ある方を求めているのです。
「氷点」とは、セ氏零度、つまり、水が凍りになる温度です。
毎日の生活の中で、急に心が凍てつき、自分でも信じられないくらい、
冷たい言葉や態度、思いにゾッとすることがないでしょうか。
それが私たちのうちにある氷点なのです。
この氷点に凍えるあなたを、熱い愛をもって抱きかかえるために、
イエス・キリストはどうしても十字架から降りてくることができなかったのです。
今日から春の京都聖会が始まります。祝福がありますように。では京都で。