重い扉の向こうに
ウォーターゲート事件で収監され、後に牢人の使徒と呼ばれたチャールズ・コルソンは、2人のクリスチャンに監督権が委任された、ブラジルのサンパウロにある刑務所を訪問したときのことを次のように記しています。そこはヒューメータと呼ばれ、彼らの計画はその刑務所をキリスト教の原理に基づいて運営していくことでした。ヒューメータを訪問したとき、服役者たちは微笑んで私を迎えてくれました。特に鍵の束を下げて門を開けてくれた殺人者が最も印象に残っています。行く場所ごとに私は平安に包まれている人々に出会い、住居環境は清潔で、壁には詩編と箴言の御言葉が飾られていました。ヒューメータ刑務所は驚くほどの記録を持っています。ブラジルとアメリカの再犯率が75パーセントである反面、ヒューメータの再犯率は4パーセントに過ぎなかったのです。このようなことが可能でしょうか。過去には拷問室として使っていた刑場を見たとき、私はその答えを見つけました。案内人は、今、そこには一人の囚人が収容されていると言いました。長いコンクリートの廊下の終わりにある部屋に着いて、彼は私に訊きました。「本当に入ってみたいですか。」「もちろんです。私は世界のあちこちの刑場を見て回って来た者です」と少しイライラして答えました。彼はずしりと重い扉をゆっくりと開け、私はその刑場に閉じこめられている囚人を見ました。その囚人とは、ヒューメータの服役者たちが美くし彫刻した十字架に付けられたイエス・キリストだったのです。
明日は教区の教会合同で秋の教区聖会がもたれます。神による救いと癒しを求める特別集会です。講師は嵯峨野教会の大塚信牧師。祈りつつお集まりください。(普段は第1日曜日がオープン礼拝ですが、今月は第2週の10日になります。ご確認ください。)