土の器

宮本牧師のブログ

敗者復活

「死者の復活については、神があなたたちに言われた言葉を読んだことがないのか。『わたしはアブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である』とあるではないか。」これは出エジプト記3章6節の引用です。ルカ福音書では、「死者が復活することは、モーセも『柴』の箇所で・・・示している」と書かれていますが、それはモーセの物語です。モーセはエジプトの王子として育てられ、40歳の時に正義感から殺人を犯し、だれにも理解されない孤独の中、荒野で羊を飼う者になりました。かつてはエジプトの王子、今はしがない貧しい羊飼い。このギャップに苦しみ、いつまでも慣れない羊飼いの仕事に、彼の心はすっかり折れていました。それからまた40年、すでに80歳になっていたモーセに起こった事件です。ある日、彼は荒野の奥に導かれました。彼はそこで燃えているのに燃え尽きない燃える柴に遭遇します。そして、彼の敗者復活の人生が始まるのです。彼の人生はこれからが本番でした。 神は燃え尽きない柴の中から、モーセに言われました。「わたしはある。わたしはあるという者だ。」燃え尽きない柴とは、この神の御名です。生ける神の御名は燃え尽きることがありません。この御名に触れ、この御名を呼び求める者は、聖書と神の力を体験し、「アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神」を、私の神とすることができるのです。 もう一度、御言葉を読みます。「復活については、神があなたたちに言われた言葉を読んだことがないのですか。」そうです。神はモーセに語られただけでなく、「あなたたちに」、今日、私たちに語られているのです。「わたしはアブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神、そして、あなたの神のである」と。