土の器

宮本牧師のブログ

Because He lives

「明日も生きよう」は、私が高校生の頃から歌いつづけている大好きなゴスペルソングのひとつです。 この曲が生まれた1960年代の終わりごろ、アメリカは泥沼と化したベトナム戦争のために国力を消耗し、戦争をきらう気分がみなぎっていました。若者たちはあらゆるものの価値観を失い、虚無的になって麻薬の常習者となり、「神は死んだ」という思想が野火のように広がりました。この歌の作詞者は有名なゴスペル・シンガーのゲイサー夫妻ですが、新しい賛美歌を次々と世に送り出していた彼らも、当時、情熱を失い、もう長い間、ペンをとらずにいました。ウィリアム・ゲイサーが妻の胎内に新しい生命が宿っていると知ったのは、まさにそのような時でした。 ウィリアムはこのように言っています。「そのころ私たちは、今は子供を世に送り出すのに、本当に可哀相な時だと考えました。何を見ても失望することばかりでした。そんな時にベンジーが生まれたのです。私たちには、夫婦で心から愛している二人の幼い娘がいました。しかし、こんどのは最初の息子です。そこでこのような思想が与えられました。生まれたばかりの赤ん坊を抱き、この子が与えるプライドと喜びを感じるのは、何とすばらしいことか。しかし、この子が、キリストが生きておられるので不安な日々に直面できるという確かな確信を持てるのは、もっとすばらしいことではないか。こうして、私たちに『キリストが生きておられるので、私たちは明日に立ち向かうことができる』と言える勇気が与えられたのです。」 1974年度のゴスペルソングに選ばれたこの歌は、今日まで多くの人々に励ましを与え続けています。 キリストは言われました。「わたしが生きるので、あなたがたも生きるからです」(ヨハネ14の19)と。