小さな奇跡
マタイ福音書8章14節からの短いストーリーは、マタイだけではなく、マルコもルカもこの出来事を記しているところを見ると、初代教会にとって何か大切な出来事であったようです。百人隊長の僕の癒しに続いて、ガリラヤ湖の北部にあるカファルナウムという町が今日の舞台です。マルコとルカによると、それは安息日のことでした。カファルナウムの会堂で安息日の礼拝を守ったイエスは、すぐそばにあったペトロの家に立ち寄られました。短いテキストですが、その日、ペトロの家で起きた二つのことが記されています。ペトロの姑の熱病の癒しと、それに続く多くの病人の癒しです。共観福音書がそろって記したこの記事から大切なことが学べるはずです。まず、シモンの姑の癒しです。ガリラヤ湖で漁師をしていたペトロは、その町に家を持っていました。そこには妻がおり、妻の母親も同居していました。パウロ書簡を見ると、後にペトロがその妻を伴って伝道旅行をしていたことが記録されています。ペトロの姑については、聖書は多くを語りませんが、きっと「ペトロの姑」と言えば、初代教会のだれもが知っているような存在であったにちがいありません。
イエスがペトロの家に入ると、その姑が熱病で苦しみ、寝込んでいました。イエスが彼女の枕元に立ち、その手に触れられると、熱は去り、彼女はすぐに立ち上がってイエスとその一行をもてなします。イエスの奇跡の中で一番小さな奇跡とも呼ばれる出来事です。
今日はこれから豊田教会で先生方の集まりがもたれます。次の日曜日は、秋の教区聖会、祈り込んでいきたいと思います。