土の器

宮本牧師のブログ

みことばにとどまる

韓国の知性と呼ばれる元文化部長官イ・オリョン氏が2007年の夏に洗礼を受けた。誰にもひざをかがめた事のない彼が、キリストの前にひざをかがめた。彼の人生で「荒野」に出会った為だった。娘が長きに渡るガンの闘病により視力を失う危機に直面した時、孫が自閉症から癒された経験をした時、彼は神を認めるようになった。 「絶望してみなければ絶対に霊性を持つ事は出来ない。自己破壊という劇的事件がなければ霊性を持つ事は難しい。この世的な平安の中に居る人は、神を受け入れる事は難しい。この地には光だけではなく暗闇も必要。光と闇を知る時、人間の限界を越えて霊性の世界に入る事が出来る」と彼はインタビューに答えている。 今までキリスト教を批判する文章を書いて来た彼は「昔書いていた文章と、今の文章が違う」と自ら言う。高慢な賢者から温かく謙遜な賢者になった。もし、あなたが今荒野の時間を過ごしているのなら、その時間が謙遜を学ぶ時間だという事に気づいて欲しい。神の助けだけがあなたにとって唯一の希望となる事を知り、求めて欲しい。 イ・オリョン氏は「『縮み』志向の日本人」「ジャンケン文明論」などの著書で、日本でもお馴染みの知性派です。最近、この人物が信仰に導かれるまでの面白いエピソードを聞きました。無神論者であったのに、ハワイの小さな教会で、口を滑らすように娘さんのために祈ってしまいました。「娘を癒してください。そうすれば、私の残りの人生をささげます」と。そのときから、彼の人生が大きく変えられていきます。それは、イ・オリョン氏の言葉でしたが、裏を返せば、「わたしはあなたを癒す」と言われた主の言葉に、「あなたの心をわたしにささげなさい」と言われた主の言葉に、彼がつながった瞬間だったのです。それは、ずっと彼に語りかけられていた主の言葉だったのです。あなたにも神が語られる声が聞こえてきますか。