土の器

宮本牧師のブログ

うしろ髪を

アメリカの第16代大統領といえばエイブラハム・リンカーンだ。今年は彼の生誕200年にあたり、それもあってオバマ大統領が彼の聖書使って宣誓をしたことは記憶に新しい。彼の直筆の書簡が競売にかけられ高値がついたというニュースもあったが、ワシントンのアメリカ議会図書館にも彼の直筆の書面がある。それは南北戦争の渦中で書かれたものだ。一人の若い兵士が、隊から逃げ出してしまった。ほどなく捕まった若者は軍法会議にかけられ、銃殺刑が決まった。しかし、兵士の母はリンカーンに息子の命乞いをする。大統領にだけは、議会の判決を覆す権限があったからだ。リンカーンは祈り、軍部と国家の大反対を押し切って、若い兵士を無罪放免とし、彼は再び軍に戻った。大統領の声明はこうだ。「若い兵士を銃殺にしても、一体彼の人生にどんな益をあたえることができるというのか。」その手紙が議会図書館に展示されているという。その黒い染みのついた手紙は、戦死した若い兵士の胸のポケットから見つかったものだ。そう、大統領の憐れみにより、無罪となったあの若い兵士のポケットから。かつては軍を逃げ出した臆病な兵士は大統領の手紙をその身から決して離さず、命を賭けて最後まで勇敢な兵士として戦ったのだ。 パウロは若いテモテに伝える。「キリスト・イエスのりっぱな兵士として、私と共に苦しんでください。キリストの兵士となった以上、この世のさまざまな事に、うしろ髪を引かれてはなりません。そんなことでは、キリストの軍隊に入隊させてくださった方を、悲しませるだけです。」(?テモテ2の3〜4リビングバイブル)と。 少し早い感じもしますが、今年もアンネのバラが咲き始めました。今年はアンネ・フランク生誕80年の年に当たります。気品のあるバラの美しさは、アンネの心を反映させているようです。