礼拝メッセージ「ナザレ人イエス」
聖書 マタイの福音書2章13-23節
マタイの福音書シリーズ(7)
礼拝でマタイの福音書をシリーズで学んでいますが、イエスの誕生にまつわる記事から、クリスマスにしか開かないような箇所を開いているので、今週もクリスマスの話題から始めました。シリアに伝わる「銀の糸」という美しい伝説です。
イエスを連れたヨセフとマリアは、ヘロデ王を恐れてエジプトに下っていました。日は沈み、辺りはすっかり暗くなってきました。やっとのことで、小さな洞穴を見つけ、聖家族はその中で一夜を明かすことにしました。その洞穴の入口に一匹のクモがいました。クモは、砂漠の夜は特に冷え込むので、幼子が寒い思いをしないように、大急ぎで洞穴の入口に巣をかけ始めました。すき間風が入らないように、クモは一生懸命、ていねいに糸を張り、立派な巣ができあがります。
やがて真夜中になりました。静寂を破って、馬のひずめの音が聞こえてきました。その音にヨセフもマリアも目を覚ましました。ヘロデの軍隊です。音はどんどん近づいて来ます。「おい、あそこに洞穴があるぞ。調べて来い」という兵隊の声がしました。「どうしよう。見つかってしまう。」
ヨセフとマリアは、イエスを抱きかかえ、心の中で神に祈りました。すると兵隊は入口で立ち止まり、入って来ようとはしません。隊長が「どうした」と声をかけると、その兵隊は「洞穴の入口には大きなクモの巣があります。誰かがいるなら、クモの巣は破れているはずです」と答え、やがて一隊は立ち去って行きました。洞穴には、夜露をいっぱいに浴びたクモの巣が、やわらかな月光に照らされて、キラキラと輝いていました。
クリスマスツリーに欠かせない銀色のモールは、この時のクモの巣を表していると言われています。ツリーを飾る季節になったら、ぜひ思い出してください。
今週も礼拝の恵みに感謝。