土の器

宮本牧師のブログ

一匹を見つけるまで

イエス・キリストこそ、私という迷える羊のためにいのちを捨てくださった良い牧者です。

「九十九匹の羊」の譬えは有名ですが、正確には、いなくなった一匹の羊、つまり百匹目の羊の物語です。そして、その一匹とは私たち一人一人のことなのです。聖書の中では、古くから、人間はしばしば羊にたとえられてきました。それは人間が羊のように弱く、無防備で、一人では生きられない存在、また迷いやすい存在であるからです。

2つの声に耳を傾けましょう。第1の声は、私たちの心の叫びです。旧約聖書の詩篇にこういう祈りがあります。「ああ神さま、羊のようにあてどもなくさまよう私を、捜し出してください」(詩編119:176)。だれもが自分がどこから来て、どこへ行こうとしているのかもわからず、あてどもなくさ迷っています。そして、心が叫んでいるのです。「ああ神さま、羊のようにあてどもなくさまよう私を、捜し出してください」と。そして第2の声は、あなたの心の叫びを聞き、あなたを捜し求めてくださる良い牧者の声です。「あなたはどこにいるのですか。」いなくなった一匹の羊を捜して歩き回る良い牧者の姿に、行動される神の愛を見ることができます。ある人が「愛とは動詞である」と言いました。神さまの愛は躍動し、じっとしていることができません。「いなくなった一匹を見つけるまで捜し歩かないでしょうか。」ここに、あなたを見つけ、あなたと共にいるまで落ち着かない、神の愛を、並々ならぬ決意を見るのです。

「あなたはどこにいるのですか。あなたはそこで何をしているのですか。あなたはどこに行こうとしているのですか。さあ、わたしのもとに立ち返り、わたしの愛のうちにとどまりなさい。恐れるな。わたしがあなたと共にいる。」